松住町架道橋(まつずみちょうかどうきょう)は、東京都千代田区外神田一丁目・二丁目にある鉄道橋(架道橋)である。東日本旅客鉄道(JR東日本)総武本線を通している。

概要

関東大震災の震災復興事業として計画され、後に帝都に於ける失業救済事業の一環で、1932年(昭和7年)に総武本線が両国駅から御茶ノ水駅まで延伸された際、松住町交差点(現在の昌平橋交差点)に架けられた橋梁である。東京市電(路面電車)の軌道が交差する、交通量の多い交差点を斜めに跨ぐ必要があり、橋脚を建てると道路交通に甚だしい支障を与えることから、支間を大きく取ることのできるアーチ橋が採用された。また、アーチ部材(アーチリブ)にはトラス構造のブレーストリブアーチが用いられたほか、支点部同士を繋材(タイ)で結んでアーチに働く水平反力を橋桁で受けるタイドアーチ形式が日本の鉄道橋として初めて採用された。

御茶ノ水方面から松住町架道橋を潜ると電気街が広がっており、トラス構造による二重アーチが印象的で、緑色に塗られて目立つため、秋葉原のランドマーク的な要素も持ち合わせている。また、総武線隅田川橋梁・神田川橋梁とともにデザインも優れているため、日本の鉄道橋の象徴的存在にもなっている。

諸元

  • 種別 - 鋼鉄道橋
  • 形式 - 複線下路ブレーストリブタイドアーチ
  • 橋床形式 - 道床式バックルプレート桁
  • 径間 - 69.50m
  • 支間 - 71.96m
  • 線数 - 複線
  • 幅員 - 8.50m(構中心間)
  • 高さ - 10.80m(地上から桁最下端まで)、12.783m(軌条面まで)、22.403m(アーチリブ最上部まで)
  • 活荷重 - KS-15
  • 鋼重 - 581.469tf
  • 設計 - 1931年(昭和6年)9月
  • 竣工 - 1932年(昭和7年)5月
  • 施主 - 鉄道省
  • 請負 - 大林組
  • 橋梁設計 - 鉄道省
  • 橋桁製作 - 東京石川島造船所(現・IHI)
  • 下部工 - 鉄骨鉄筋コンクリート造
  • 基礎工 - 鉄筋コンクリート杭(プレキャスト)

隣の橋

  • 総武本線 (上り方向) - 神田川橋梁 - 松住町架道橋 - 旅籠町高架橋 - 御成街道架道橋 - 秋葉原駅西口橋梁 - (下り方向)

脚注

参考文献

  • 川口利雄 「御茶水兩國間高架線工事槪要」『土木建築雑誌(CIVIL ENGINEERING & ARCHITECTURE)』第11卷第7號、シビル社、1932年7月、13-17頁
  • 平井喜久松 「御茶ノ水・兩國間高架線工事に就て」『土木学会誌』第18卷第8號、土木学会、1932年8月、845-856頁
  • 久保田敬一 「本邦鐵道橋梁ノ沿革ニ就テ」『業務研究資料』第22卷第2號、鉄道大臣官房研究所、1934年1月25日、49頁、附属図面(第34圖松住町架道橋)
  • 歴史的鋼橋: A2-004 松住町架道橋、土木学会

外部リンク

  • きまぐれ旅写真館 松住町架道橋(JR総武線) - ウェイバックマシン(2019年1月1日アーカイブ分)
  • 景観シリーズ①「松住町架道橋」、一般社団法人 千代田区観光協会・まちブログ(神田・神保町・秋葉原周辺)
  • 鉄道遺産を訪ねて vol.9|歴史|トレたび - 一ノ戸川橋梁、松住町架道橋、隅田川橋梁、交通新聞社

☆★☆秋葉原のランドマーク 総武本線 松住町架道橋☆★☆|土木ウォッチング

松住町架道橋(東京都千代田区) Bridge a day

松住町架道橋 | KIRIHARA PHOTO Collection

江東区 松本橋 Matsumoto Bridge Koto Ward, Tokyo

松住町架道橋 東京都千代田区 株式会社東和設計