野呂川(のろがわ)は、広島県呉市を流れる川で、二級河川。野呂川水系の本流。
地理
呉市安浦町の西にそびえる野呂山(瀬戸内海国立公園内)を水源とする。上流端は安浦町中畑の田之原・川向である。支流の中畑川および中切川を合わせ、瀬戸内海へ注ぐ。長さは10.5キロメートル、流域面積は43.2平方キロメートルである。
支流
- 中畑川(なかはたがわ) - 安浦町を流れる野呂川水系の二級河川。前平山を水源とする。上流端は安浦町内海の鍬畑・中原で、野呂川に注ぐ。長さは2キロメートル、流域面積は12.2平方キロメートルである。平成30年7月豪雨(後述)では氾濫して浸水被害が生じたため、野呂川との合流地点から上流側1400m区間において川底の掘削、川幅の拡幅が計画されている。
- 赤向坂川(あこうざかがわ) - 安浦町を流れる野呂川水系の準用河川。古くは「阿郷坂川」(読み同じ)と書いた。東広島市黒瀬町との境にそびえる虚空蔵山を水源とし、市境が上流端となっている。中畑川に注ぐ。長さは3.7キロメートル。
- 新小屋川 - 赤向坂川の支流。
- 要垣内川 - 赤向坂川の支流。
- 藤木川(ふじきがわ) - 安浦町を流れる野呂川水系の準用河川。安浦町女子畑の順境谷・鷹巣を上流端とし、赤向坂川に注ぐ。長さは1.1キロメートル。
- 赤向坂川(あこうざかがわ) - 安浦町を流れる野呂川水系の準用河川。古くは「阿郷坂川」(読み同じ)と書いた。東広島市黒瀬町との境にそびえる虚空蔵山を水源とし、市境が上流端となっている。中畑川に注ぐ。長さは3.7キロメートル。
- 中切川(なかぎりがわ) - 安浦町を流れる野呂川水系の二級河川。上流端は安浦町安登の岡谷・源道尻で、野呂川に注ぐ。長さは4.1キロメートル、流域面積は10.8平方キロメートルである。
- 跡条川(あとじょうがわ) - 安浦町を流れる野呂川水系の準用河川。安浦町安登の日野迫・足懸を上流端とし、中切川に注ぐ。長さは1.5キロメートル。
- 山口川(やまぐちがわ) - 安浦町を流れる野呂川水系の準用河川。安浦町安登の山口を上流端とし、跡条川に注ぐ。長さは0.3キロメートル。
- 跡条川(あとじょうがわ) - 安浦町を流れる野呂川水系の準用河川。安浦町安登の日野迫・足懸を上流端とし、中切川に注ぐ。長さは1.5キロメートル。
歴史
- 1952年(昭和27年)から1958年(昭和33年)度 - 下流部において計画高水流量を175立方メートル毎秒に設定し、河川改修を実施。
- 1967年(昭和42年)7月 - 集中豪雨(昭和42年7月豪雨)により甚大な被害。
- 1967年から1968年(昭和43年)度 - 計画高水流量を233立方メートル毎秒に引き上げ、河川改修を実施。ただし、部分的なものにとどまる。
- 1969年(昭和44年)度から1976年(昭和51年)3月 - 野呂川ダム建設。計画高水流量を400立方メートル毎秒に引き上げ、190立方メートル毎秒をダムで調節する。
- 2018年(平成30年)7月 - 集中豪雨(平成30年7月豪雨)により約58ヘクタールが浸水、被災住宅戸数は760に上った。
河川施設
- 野呂川ダム - 安浦町中畑字市原、野呂川に建設されたダム。高さ44.8メートルの重力式コンクリートダムで、洪水調節・不特定利水を目的とする、広島県営の治水ダムである。1975年(昭和50年)度竣工。施工は西松建設。ダム湖(人造湖)の名は「野呂峡やすらぎ湖」(のろきょうやすらぎこ)という。
脚注
参考文献
- 日外アソシエーツ編集『河川大事典』日外アソシエーツ、1991年2月21日。ISBN 4816910174
関連項目
- 広島県の二級水系一覧
- 豊田郡
- 三津口湾
- 晴海大橋 (広島県) - 国道185号
外部リンク
- 二級河川野呂川水系野呂川浸水想定区域図(ハザードマップ)
- 国土交通省 川の防災情報 野呂川ダム(雨量) - 藤浪(水位・雨量) - 市原 - 野呂川ダム(ダム)




