渡邉 勇太朗(わたなべ ゆうたろう、2000年9月21日 - )は、埼玉県羽生市出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。埼玉西武ライオンズ所属。
経歴
プロ入り前
小学校1年から野球を始め、5年から投手となる。羽生市立東中学校では軟式野球部に入部し、2年夏に関東大会に出場した。
浦和学院高等学校では1年秋からベンチ入り。3年春は右肘を痛めベンチ外となるが、5月の関東大会で復帰。夏には甲子園大会に出場したが、準々決勝の大阪桐蔭高等学校戦で敗退した。甲子園大会後はAAAアジア野球選手権大会の日本代表に選出された。同学年に後に西武でチームメイトとなる蛭間拓哉がいる。
2018年10月25日に行われたドラフト会議では、埼玉西武ライオンズから2位指名を受け、11月15日に契約金7000万円、年俸650万円で契約した。背番号は12。
西武時代
2019年のルーキーイヤーは身体づくりを中心に取り組み、イースタン・リーグでは2試合に登板したが、3回2/3を投げて被安打10・防御率14.73と打ち込まれた。
2020年はイースタン・リーグで4試合に登板、22回1/3を投げて被安打30・防御率5.24という成績であった。
2021年は初めて春季キャンプをA班でスタートするも、開幕は二軍で迎えた。4月までは二軍でも防御率9点台と苦しんでいたが、5月は1先発を含む3試合で防御率2.25と結果を残し、6月8日に一軍初昇格。翌9日の横浜DeNAベイスターズ戦でプロ初登板し、3回2安打1四球2奪三振、無失点と好投。6月14日の広島東洋カープ戦では1点リードの6回裏から3番手として登板。2回を無失点に抑え、プロ2試合目でプロ初ホールドを記録した。登録抹消されることなく前半戦を中継ぎとして終えると、エキシビションマッチでは先発としてアピールし、後半戦の開幕3試合目となった8月15日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦でプロ初先発を果たし、5回1失点の好投でプロ初勝利を挙げた。その後も先発ローテーションを守り、スタミナ面には課題を残したが、後半戦は9試合の先発で4勝2敗、42イニングを投げて防御率3.21を記録した。シーズン全体では17試合(9先発)の一軍登板で4勝4敗2ホールド・防御率3.44を記録し、オフに350万円増となる推定年俸1000万円で契約を更改した。
2022年は初の開幕ローテーション入りを果たし、開幕3試合目のオリックス・バファローズ戦でシーズン初登板初先発となるも、3回6安打2四死球6失点(自責点4)の乱調で勝敗は付かなかった。続く4月3日の千葉ロッテマリーンズ戦では5回1/3を4安打7四球3失点という内容で敗戦投手となり、翌4日に出場選手登録を抹消された。7月22日の楽天戦で約3か月半ぶりとなる一軍先発登板となり、5回0/3を2失点でシーズン初勝利を挙げたものの、翌23日に出場選手登録を抹消されると、8月12日には新型コロナウイルスに感染。その後の一軍登板は無くシーズンを終え、この年は3試合の先発登板で1勝1敗・防御率6.08という成績にとどまった。オフに150万円減となる推定年俸850万円で契約を更改した。
2023年は春季キャンプ明けから右肩の怪我があり、春先から実戦登板はしていたものの、ストレートの最速が145~146km/hと球速の低下が見られていた。前年は92kgだった体重を少しずつ増やすと、ストレートが強化され、本人も「真っすぐの速さと強さが良くなった」とコメントし、9月20日の北海道日本ハムファイターズ戦でシーズン初登板初先発。ストレートの最速は152km/hを計測し、5回無失点でシーズン初勝利を挙げた。続く同27日の楽天戦でも6回1失点と試合を作り、この年は2試合の先発登板で1勝0敗・防御率0.82という成績であった。オフに30万円減となる推定年俸820万円で契約を更改した。
2024年も開幕を二軍で迎えた。この年は無走者時でもクイックで投球するフォーム変更に取り組み、イースタン・リーグでは6試合の登板で1勝2敗・防御率2.48を記録すると、5月18日の福岡ソフトバンクホークス戦でシーズン初登板初先発となり、6回3安打7四死球1失点で勝敗つかず。その後は、5回まで試合を作りながらも打線の援護がないまま6回以降に失点して降板する登板が目立った。シーズン6度目の先発登板となった6月25日の日本ハム戦では1-0で迎えた6回表一死二塁からアリエル・マルティネスに対してカウント1-1となった場面で右手人差し指のマメを潰して緊急降板。5回1/3を無失点でシーズン初勝利は挙げたものの、翌26日に出場選手登録を抹消された。7月9日の日本ハム戦で一軍復帰を果たすと、この試合を含めて3試合連続HQSを記録。ただ、いずれも勝敗は付かず、同27日には右手中指のマメの影響で出場選手登録を抹消された。8月6日のオリックス戦で再び一軍へ復帰し、同29日のロッテ戦では5回2/3を無失点に抑えてシーズン2勝目を挙げたものの、6回裏二死二塁からネフタリ・ソトの放った痛烈な打球が右足首付近に直撃し、緊急降板。続く9月6日のソフトバンク戦では5回4安打4四球無失点と走者を再三許しながらも勝利投手となったが、6回裏の投球練習中に右足を気にする仕草を見せ、緊急降板。渡辺久信監督代行は「この間の所がピリッと痛んだみたい」と説明し、その後検査を受けたところ、右足の腓骨骨折が判明し、同11日に出場選手登録を抹消された。残りのシーズンはリハビリに費やし、秋季キャンプもリハビリ期間となったが、この年は14試合に先発登板。援護率1.78と打線の援護に恵まれなかったこともあり、勝ち星こそ伸び悩んだものの、3勝4敗・防御率2.67を記録し、オフに1180万円増となる推定年俸2000万円で契約を更改した。
プレースタイル・人物
ストレートの最速は153km/h。変化球はカットボールを最も得意としており、他にスライダー、カーブ、スプリットを投げる。
愛称は「ナベU」。「ナベQ」と呼ばれている渡辺久信ゼネラルマネージャーにあやかったものである。
実家は造園業で、一度は野球をやめて家業を継ぐことを考えたこともあった。
幼少期から西武ファンであり、野球をやっていた兄のチームメイトが浦和学院で甲子園出場を果たし、その姿に憧れて浦和学院に進学した。
憧れの選手は大谷翔平で、投球フォームも似ている。
詳細情報
年度別投手成績
- 2024年度シーズン終了時
年度別守備成績
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
記録
- 初記録
- 投手記録
- 初登板:2021年6月9日、対横浜DeNAベイスターズ2回戦(メットライフドーム)、5回表に3番手で救援登板、3回無失点
- 初奪三振:同上、6回表に伊藤光から空振り三振
- 初勝利:2021年8月15日、対東北楽天ゴールデンイーグルス15回戦(メットライフドーム)、先発登板、5回1失点
- 初ホールド:2021年6月14日、対広島東洋カープ2回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、6回裏に4番手で救援登板、2回無失点
- 初先発登板・初勝利・初先発勝利:2021年8月15日、対東北楽天ゴールデンイーグルス15回戦(メットライフドーム)、5回1失点
- 打撃記録
- 初打席:2024年6月9日、対阪神タイガース3回戦(阪神甲子園球場)、3回表に才木浩人からスリーバント失敗
背番号
- 12(2019年 - )
代表歴
- 第12回 BFA U-18アジア選手権大会 日本代表
脚注
関連項目
- 埼玉県出身の人物一覧
- 埼玉西武ライオンズの選手一覧
外部リンク
- 個人年度別成績 渡邉勇太朗 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)
- 12 渡邉 勇太朗 選手名鑑 - 埼玉西武ライオンズオフィシャルサイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE
- 渡邉勇太朗 (@nabeulions12) - Instagram

![]()

