オニノゲシ(鬼野芥子、学名: Sonchus asper)は、キク科ノゲシ属の越年草。ヨーロッパ原産で、世界中に外来種(帰化植物)として分布している。
分布
ヨーロッパを原産地とする。
北アメリカ、南アメリカ、アフリカ、アジア(日本を含む)、オセアニアに移入分布する。日本では、1892年(明治25年)に松村任三が東京の小石川で見つけ、和名を与えている。現在では日本全国に広がっている。
特徴
一年草または二年草(越年草)。日本では各地の道端や畑で見かけることができる。茎は高さ50 - 100センチメートル (cm) になり、中空である。
葉は羽状に裂けるものと裂けないものがあり、大小不揃いの刺状の鋸歯が多数あり、触ると痛い。葉色は濃緑色でやや光沢がある。葉の基部の両端は半円状の裂片になり、無柄で茎を抱く。
花期は春から秋で、タンポポのような黄色の花を咲かせる。頭花の径は約2 cmで、舌状花のみからなり、その構造はノゲシ(Sonchus oleraceus)とほぼ変わらない。花後にできる果実(痩果)は、長さ2.5ミリメートル (mm) 扁平な楕円形で、両面に縦筋があり、横のシワはない。果実の一端には、白色の冠毛が多数つく。
在来のノゲシは葉の光沢が乏しく、葉縁のトゲは触っても痛くなく、葉の基部の裂片が三角状に尖っていることで区別できる。全体的にノゲシに比べると、オニノゲシのほうは葉の光沢あり、葉縁のトゲが痛いほど硬くて基部の裂片が円く、少し大きく荒々しい感じがある。まれに中間種のアイノゲシ(Sonchus oleaceo-asper)がある。
脚注
参考文献
- 長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1。
- 平野隆久写真『野に咲く花』林弥栄監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、1989年。ISBN 4-635-07001-8。
- 岩槻秀明『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』秀和システム、2006年11月5日。ISBN 4-7980-1485-0。
関連項目
- 帰化植物
外部リンク
- Sonchus asper (L.) Hill(「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList))
- "Sonchus asper (L.) Hill" (英語). Integrated Taxonomic Information System. 2010年7月14日. (英語)
- Sonchus asper (National Center for Biotechnology Information) (英語)
- オニノゲシ - ウェイバックマシン(2006年12月8日アーカイブ分)(植物雑学事典)
- オニノゲシ(植物図鑑・撮れたてドットコム)



