「ミー・アンド・ボビー・マギー」(Me and Bobby McGee)は、クリス・クリストファーソンとフレッド・フォスターによって書かれた楽曲。ジャニス・ジョプリンのカバー・バージョンが最もよく知られる。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2010年版)では148位にランクされている。
背景
ある晩クリス・クリストファーソンは、彼が所属するモーメント・レコードの設立者、フレッド・フォスターから電話を受ける。「君の曲にいいタイトルがあるよ。"Me and Bobby McKee" というんだ」
ボビー・マッキー(Bobby McKee)はブーデロウ・ブライアント(ソングライター・チームのブライアント夫妻の夫)の秘書の名前であったが、クリストファーソンはマッキーを「マギー」(McGee)と聞き間違える。彼は当時好きだったミッキー・ニューベリーの「Why You Been Gone So Long?」と同じリズムをとりながら曲作りにとりかかった。クリストファーソンは後年こう証言している。
本作品を最初に吹き込んだのはロジャー・ミラーである。1969年7月にシングルとして発表。ビルボードのカントリー・チャートで12位を記録している。
クリストファーソン自身のバージョンは1970年のファースト・アルバム『Kristofferson』に収録されている。
ジャニス・ジョプリンのバージョン
ジャニス・ジョプリンは1970年10月4日に滞在先のホテルで亡くなるが、その直前の9月5日から10月3日にかけてレコーディングは行われた。本作品において彼女はアコースティック・ギターも演奏している。
1971年1月11日発売のアルバム『パール』に収録され、翌1月12日にシングルカットされた。
同年3月20日から3月27日にかけてビルボード・Hot 100の1位を2週連続で記録した。また、ビルボードの1971年の年間チャートで11位を記録した。
デモ・バージョン(1970年7月28日録音)が『The Pearl Sessions』(2012年)などいくつかのコンピレーション・アルバムで聴くことができる。
主なカバー・バージョン
- ケニー・ロジャース&ザ・ファースト・エディション - 1969年のアルバム『Ruby, Don't Take Your Love to Town』に収録。
- チャーリー・プライド - 1970年のアルバム『Just Plain Charley』に収録。
- ゴードン・ライトフット - 1970年のアルバム『Sit Down Young Stranger』に収録。
- クリス・クリストファーソン - 1970年のファースト・アルバム『Kristofferson』に収録。
- ランブリン・ジャック・エリオット -1970年のアルバム『Bull Durham Sacks & Railroad Tracks』に収録。
- ロレッタ・リン - 1971年のアルバム『I Wanna Be Free』に収録。
- オリビア・ニュートン=ジョン - 1971年のファースト・アルバム『If Not for You』に収録。
- グレイトフル・デッド - 1971年のライブ・アルバム『Grateful Dead』(通称:Skull and Roses)に収録。
- ドッティ・ウエスト - 1971年のアルバム『Have You Heard...』に収録。
- チャーリー・マッコイ - 1972年のアルバム『Charlie McCoy』に収録。
- ジーニー・C・ライリー - 1972年のアルバム『Give Myself a Party』に収録。
- ジョニー・キャッシュ - 1973年のアルバム『På Österåker』に収録。
- スリーピー・ラビーフ - 1974年のアルバム『The Bull's Night Out』に収録。
- ジョーン・バエズ - 1984年のライブ・アルバム『Live Europe '83』に収録。
- アン・マレー - 2002年のアルバム『Country Croonin'』に収録。
- ドリー・パートン - 2005年のアルバム『Those Were the Days』に収録。クリス・クリストファーソンと共に歌っている。
- ピンク - 2006年のライブDVD『Pink: Live in Europe』に収録。
- マット・ドイル - 2016年のアルバム『Uncontrolled』に収録。
脚注
関連項目
- 1971年のビルボード・ホット100による1位のシングル一覧




