黒谷古墳(くろたにこふん)は、広島県三原市大和町下草井にある古墳。形状は円墳と推定される。広島県指定史跡に指定されている。

概要

広島県中部、沼田川上流の椋梨川から北に入った黒谷の、東側小支谷の南斜面に築造された古墳である。1999年(平成11年)に保存整備が実施されている。

墳丘は後世の開墾による削平を受けているが、墳形は円形と推定され、直径10メートル以上・高さ3.5メートルと見積もられる。埋葬施設は横穴式石室で、南西方向に開口する。石室奥壁には石棚を付すという、広島県内では唯一の特徴を示す。副葬品としては須恵器片の出土が知られる。築造時期は古墳時代終末期の7世紀前半-中葉(または6世紀後半-7世紀前半)頃と推定される。

古墳域は1985年(昭和60年)に広島県指定史跡に指定されている。なお、西方には2号墳が所在する。

遺跡歴

  • 1985年(昭和60年)3月14日、広島県指定史跡に指定。
  • 1999年(平成11年)、保存整備。

埋葬施設

埋葬施設は横穴式石室で、南西方向に開口する。石室には玄室・羨道の区別はなく、現存長6.85メートル、幅1.4メートル(奥壁部)・1.6メートル(中央部・開口部)、高さ2.2メートル(奥壁部)を測る。

奥壁には、高さ1.3メートルの位置に石棚を付す。両側壁にかけて渡した一枚石(長さ1.8メートル・幅1メートル・厚さ0.2-0.5メートル)を棚とし、その前面に障壁としての一枚石(長さ1.8メートル・幅0.6メートル・厚さ0.2メートル)を立てる。石棚の上層の幅は下層よりも広くなっており、石室の平面形は下層ではコ字状、上層ではT字状を呈する。

文化財

広島県指定文化財

  • 史跡
    • 黒谷古墳 - 1985年(昭和60年)3月14日指定。

脚注

参考文献

  • 史跡説明板(三原市教育委員会設置)
  • 小都隆「黒谷古墳」『日本古墳大辞典』東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607。 
  • 「黒谷古墳」『三原市の文化財』三原市教育委員会、2016年。 

外部リンク

  • 黒谷古墳 - 広島県教育委員会「ホットライン教育ひろしま」

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黒谷古墳 古墳マップ

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黒谷古墳 古墳マップ

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